少し極端な例かもしれませんけれども、戦後、1946年にアメリカでスポック博士という偉い先生が、抱き癖がつくから、子供を自立させるためにはちゃんと親から切り離して育てなさい、1人部屋にして育てなさい。
なんていうことを提唱して、当時アメリカも成長期であったので、お外で仕事をしたいお母さん達がそれに飛びついて、スポック博士の提唱がもてはやされた時代があったんですね。
ただその後、そういう指導を受けて大きくなった人達の、犯罪率が上昇してしまった。
その捕まった人たちの心理分析をすると、非常に自己肯定感が低い。
自分が大切にされていない、という意識が強いということがわかりました。
そういう時に、アメリカという国はまた動きが早いので、あっという間にそのスポック博士の提唱に基づく指導をやめてしまいました。
なぜか日本では、ずっとそれが根強く、残念ながら残ってしまって、未だに私たちでさえ、「抱き癖がつく」なんていう言葉を知ってるぐらい、あまりにも広まってしまいました。
だからといって、その後の犯罪率がどうかというところまで、日本で追跡調査した結果はないかもしれませんけれど、少なくとも、ふれあいが少ないと自分を大切にできなくなる、ということは言えると思います。
つまりは相手の事も人の事も、大切にできなくなる。
思いやりを持てなくなる。
人々の心情に対する想像力が、欠如する、欠けてしまう。 そんな人が増えてしまうんじゃないかな、と思いますので、思ったところから、決して時間を戻せということではなくて、違うと思った時から、気持ちを切り替えていただけたらな、と思います。