正絹は、夏に涼しく冬に暖かい、という特徴があります。特に夏に、化学繊維のものを、下着から着物から幾重にも重ねると、恐らくどなたも暑さに耐え切れないと思います。
そこへ行くとやはり絹、というものは汗を吸ってくれてなおかつ発散してくれるという意味で大変お勧めです。
絹には、通気性、速乾性、保温性、保湿性、消臭性などなど多様な機能があり、肌に直接身に着けると、気持ちが和むという効果もあります。絹を使った下着やパジャマ、リネン類が製品化され、市場が形成されているのはそのためです。
絹について、着物については、中谷比佐子先生の「きもの解体新書」(春陽堂書店)で詳しく知ることができます。
https://www.shunyodo.co.jp/shopdetail/000000000725/
着物という入り口から、先人が培ってきた日本文化の素晴らしさ、着物の着方や扱い方まで優しく解説していただける、楽しい講義録のような読み物です。着物にご興味のある方にはもちろん、そうでない方にもお勧めです。
どうしてもひどく汚してしまうような環境があって、着物をすぐにジャブジャブ、ゴシゴシ洗いたくなるような、特殊な事情がある場合には化学繊維の着物が便利で、私自身も持ってはいますが、あくまでそれは特別な用途に限っての選択肢です。
絶対だめ、という風にこだわるつもりはないのですが、まずは絹のよさを肌で体験していただけたらなと思います。